2013年度に向けて

 
 
2013年度に向けて
                                  あおもり協立病院  平岡友良

 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。 
 昨年の3大ニュースは、まず第一に11月に「健やか親子21」全国大会で母子保健における表彰を受けたことです。思春期保健や社会的に問題のある患者の周産期医療などを青森という地域の中で活動してきたことが評価されました。一昨年、恩賜財団母子愛育会会長表彰を受けたのですが、昨年は厚労大臣表彰をうけました。
 二番目のニュースは二人の社会学者と知り合いになりました。一人は土井隆義先生(筑波大大学院人文社会学研究科教授)で日本思春期学会の基調講演に招聘しました。「友だち地獄」(ちくま新書)などの著者であり、若者たちの親密圏・公共圏でのコミュニケーションについて考察している先生です。今の若者たちは、親密圏にいる友だちに対しては非常に気を遣い、決して自分を目立たせないように努力している。そこで友だちの前ではキャラを演じ、素の自分を出さないようにしていると分析しています。もう一人は中西新太郎先生(横浜市立大学教授)で、全日本民医連の産婦人科医師交流集会に招聘しました。「若者たちに何が起こっているのか」(祥伝社)、「1995~未了の問題圏」(大月書店)、「「問題」としての青少年」(大月書店)などの著者です。1995年以降、バブル崩壊とともに日本社会は大きく変化し、格差・貧困化の時代に入っていったと述べています。すなわち新自由主義と消費社会の個体化作用によって「自分さがし」の時代から「生きづらさ」の時代に転換していると述べています。思春期医療や思春期保健に従事している私たちが社会学者との接点を持つことは重要であり、昨年はその出会いができた年です。
 第三は昨年の診療報酬改定によって、感染管理に対する評価が行われました。私たちの病院は感染防止加算1の病院です。加算2の病院との連携で年4回カンファレンスが必要であり、加算1との病院とは連携加算をとるために年2回のカンファレンスが必要となります。この連携で芙蓉会病院の先生方と知り合いになりました。今回、研究会の市民公開講座で講師を引き受けていただいた村上拓也先生とはこの活動を通じて知り合いになりました。
 今年もまた、新たな出会いを求めて様々な活動をしていきたいと思います。よろしくお願いします。